アニマルヘルパーコラム~お留守番の過ごし方~

1.お留守番は何時間までなら大丈夫?

飼主さんがお仕事などで7〜8時間(またはそれ以上)お留守番をする犬はたくさんいます。
よく「何時間くらいなら留守番させても大丈夫ですか?」という質問を受けますが、これは犬の年齢や環境によって異なります。

例えば子犬の場合、生後6〜7ヶ月齢までは食事の感覚が空きすぎると低血糖症になる危険があります。
成長期の子犬は代謝が早く、すぐにエネルギーを消費してしまいます。
動物病院で子犬の食餌回数を1日3〜4回にするよう勧められるのはそれが理由です。
たまにペットショップなどで「1日2回で大丈夫!」と案内され、その代わりに食事にブドウ糖を加えるよう案内されることがあるようですが、これは良くありません。
適量の栄養をその成長のスピードや活動量に応じて数回に分けて与えるのが最も子犬の身体にやさしい食事です。
ということは、子犬のお留守番の時間は「次のご飯まで」となり、月齢にもよりますが6時間以上は心配です。

では、成犬のわんちゃんではどうでしょう?

概ね1歳を過ぎると基本的には1日2回の食餌となるため、栄養管理という意味ではお留守番時間が8時間でも問題はありません。
しかし、トイレは外でしかしない、サークルの中にトイレがあるのに留守中は我慢している、飼主さんと離れると吠え続けるなどの分離不安傾向がある、といったように長時間のお留守番が難しい場合もありますし、そもそもただ待つだけの時間が8時間も続くのは楽しいはずがありません。

よく人間にとっての1日は犬では3日に相当すると言われます。
これは犬の平均寿命や新陳代謝を考えて、犬はとても早いスピードで生きているという考えからきています。
そもそも1時間や10分といった「時間」の概念は人間が作ったもので犬は認識していません。
でも「今日は遅いな」「もうそろそろ帰って来る頃だな」といった大まかな感覚は分かっていると考えられています。
例えば平日は8時から17時までの約9時間のお留守番をしているわんちゃんは、毎日の留守番時間の感覚を捉え学習するため、その時間が不快でなければ長いお留守番も我慢できます。
ただしそうなると飼主さんが帰宅してから就寝までの時間が、犬の唯一の充実した時間となるため、結局1日のほとんどが楽しくない充実していない時間になってしまうのです。
そのため留守番時間の長いわんちゃんには、飼主さんが帰宅した後の短い時間をいかに充実したものにするかが重要です。
また、週末は遠くの公園まで行ったり、ドライブや新しい遊びを提供するなど、飼主さんと一緒に楽しみ、かつ十分な運動をさせることも忘れてはいけません。だって犬の1日は人間の3日に相当するということは、お留守番だけで終わってしまう平日の5日間は私たち人間にとって2週間以上になるのですから!!

2.お留守番を苦痛にさせないために必要なこと

①適度な広さのサークルを用意する

長時間の留守中に何度か排泄をする場合、汚れていない清潔なスペースが確保できるワイドサイズのトイレを設置します。
また、トイレと密着させず少し距離を離した場所に寝床を置きます。犬は本来、排泄場所と寝床は隔離したい習性があり、正しい環境設定をすればトイレの失敗も防ぐことができます。
それらが収まるサークルとなると、ある程度の広さは必要です。

②暇つぶしのオモチャを用意する

老齢期に入るとお留守番中ずっとウトウトと寝ていることもありますが、多くのわんちゃんは寝飽きてしまいます。
特に若くて活動的な子は「暇だなー」とストレスを感じていることでしょう。
「暇」は動物にとって大きなストレスとなり、ペットシーツやサークルの柵を齧る・壊すなどの破壊行動や異物誤飲などの危険もあります。
時には自分の被毛を過剰に舐める・むしるなどの自傷行為に発展することも。
暇というのは時には危険なものとなるのです。

そのため、暇つぶしになるようなオモチャは必ず入れておきましょう。
例えガジガジと噛み続けられるオモチャはマストアイテムです。
ペットグッズを扱うお店には様々な素材の噛むおもちゃが売っているので、その犬に合ったアイテムを探してみましょう。
ただし削れてしまうような木製のものや、蹄など固すぎる素材は歯や歯肉を痛めることが多くオススメしません。
また、小さすぎて飲み込んでしまうものも危険です。

その犬のサイズにあったもので、適度な弾力があり、かつ美味しいフレーバーがついている、音がなる、剥がれた部分を飲み込んでしまっても身体に吸収されない素材など、噛むオモチャのチョイスは念入りに!

出し方を工夫してオヤツを取り出す知育玩具もオススメです。
知育玩具は簡単すぎず難しすぎず、その子に合ったレベルのものを選んであげてください。
これらのオモチャは普段は犬の目の届かないところに置き、お留守番の時にしか出てこない特別なオモチャであることもポイントです。

③帰宅後はしっかりと運動&コミュニケーションを

飼主の就寝時間を合わせると、わんちゃんは1日のほとんどを活動せずに過ごしていることになります。
私たちは仕事や学業などの社会活動をして家に帰るわけですが、わんちゃんたちはその間ずっと休止状態なので「待ってました!」とばかりに帰宅を歓迎してくれるのは当然のことです。
特に若くて活動的な子や運動量の多い犬種は帰宅後に有り余るエネルギーを十分に発散させないと、そのエネルギーは破壊行動や噛む・吠えるなど飼主にとって望ましくない行動に向かうこともあるため気をつけましょう。
エネルギー発散で最もオススメする方法はお散歩です。
「お散歩は毎日しているよ」とおっしゃる方も多いのですが、お散歩の質をアップさせるだけで格段に犬の満足度は上がります。
お散歩の最大の目的はウォーキングではなく社会との関わりです。飼主さんと一緒に出かけ、外の匂いをクンクン嗅ぎ、いろんな音に触れ風に当たって季節を感じ、知らない人や犬と関わるなど、お散歩に行くだけで視覚・聴覚・そして最も犬の得意な嗅覚を働かせることができます。
いつもお決まりのコースを丁寧にパトロールすることに充実感を覚える犬もいれば、毎回違ったコースをチャレンジしたいと思う犬もいます。
その子の感性に任せて新しい散歩道を開拓するのも楽しい冒険です。

時にはお散歩の途中でおやつタイムをとして公園のベンチで休憩したり、歩いている途中で「おすわり」「ふせ」などの号令をかけてちょっとした屋外学習も刺激的です。
家の中でやっているようなボール投げを安全な広場でやるのもよし、段差やポールに乗ったりくぐったりジャンプしたり、アジリティー感覚で楽しむもよし・・・。
お散歩の仕方を工夫するだけでも充足感は何倍にも広がります。
お散歩が苦手なわんちゃんも、ほんの5分でいいのでお外に出てみましょう。無理に引っ張って歩かせる必要はありません。
ただじっと止まっているだけでも大丈夫。わんちゃん自身が「ちょっと言ってみようかな」と思うまで気長に毎日続けてみてください。
緊張してる様子があれば大好きなおやつをあげてみましょう。
人間も気が張っている時に美味しいチョコレートを食べるとホッとすることありますよね。
おやつの目的はご褒美だけではなく、ホッとさせる安心アイテムでもあるのです。

これまでほとんどお散歩に出ていないワンちゃんは抱っこ散歩から始めてみましょう。
飼主さんと抱っこで外に出て、慣れてきたら下ろしてみる。そして自ら歩き出すようになれば、少しずつでも必ず変化は出てきます。
大事なポイントはわんちゃん自身がみずから行動することです。無理はさせない、頑張らせない、が結果的に最も効率の良い練習となります。

3.アニマルヘルパーはどんなことをしてくれるの?

とはいえ、帰りが遅く夜中に散歩に行きにくい場合や、飼主さんの体調が悪いこともあるでしょう。
天候に左右される日もあります。
そんな時はプロの力をぜひ借りてください。

アニマルヘルパーは看護の視点でお世話を行うペットのプロです。
お留守番中のわんちゃんの行動や表情から的確なサポートを行います。
室内での遊びやお散歩も、心身ともに健康であるかを見分けながらわんちゃんに飽きさせない工夫をします。
家族以外の人と楽しくコミュニケーションを取ること自体が、ワンちゃんにとって良い刺激となります。
また、健康なわんちゃんばかりではなく、シニアでお散歩が難しくなってきた子や介護が必要なわんちゃんにも、その子に合った内容でお留守番の時間を充実した時間に変えることができます。
室内でのおもちゃの遊ばせ方を工夫したり、お散歩もおしゃべりしながら楽しい雰囲気を演出します。
高齢犬にはカートでのお散歩や室内での脳トレゲーム、寝たきりのわんちゃんにはマッサージなど、どんな状態でも様々な工夫で充実した時間を提供します。

4.訪問サポートの効果

常に家族の帰りを待ち焦がれていると、ますますお留守番が苦痛になります。
アニマルヘルパーの訪問サポートを経験した多くのわんちゃんは、飼主さんが出かけた後、「楽しいことをしてくれて美味しいおやつをくれるアニマルヘルパーさんが来る!」と、ワクワクしながら私たちを待ってくれるようになります。
そしてアニマルヘルパーが帰り飼主さんが戻って来るまでの間は心地よい疲れとともに休息してくれることでしょう。
普段慣れ親しんだお家で家族以外の人と過ごす楽しい時間は、「お留守番」を「嬉しい・美味しい・面白い」時間に変えます。
また訪問型のサービスだけではなく専用施設でのお預かりが可能なアニマルヘルパーもいます。
わんちゃんが学校にいく感覚で、訪問とはまた違った楽しみ方があります。

人の24時間は犬には7時間程度の感覚だと言われています。
その短い感覚のほとんどをお留守番に費やすワンちゃんにとって、週1回のアニマルヘルパーのサポートがあれば、きっとその1週間の感覚は見違えるほど変わります。
犬はたくさんの可能性を秘めた素晴らしい動物です。
お留守番の多いわんちゃんこそ、その子の良さを伸ばし、時には困った行動を減らし、心と身体が良い状態でいられるよう看護の心でサポートできるアニマルヘルパーをオススメします。

 

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