心肺蘇生って??
「心肺蘇生」…この言葉は1度は耳にされたこともあると思います。
えっ!アニマルヘルパーってそんなこともするの!?
それって動物病院の人がすることなんじゃないの!?
やれって言われてもどうするの??
いつするの!?
そんなことできないかも…(´;ω;`)そんなお声が聞こえてきそうですが…
安心してください!!
そのための心肺蘇生法の講義です♪
そもそも「心肺蘇生」とはなんのでしょう??
「心肺蘇生」とは心臓や肺の機能が低下して、命の危機にある動物に人工呼吸と心臓マッサージを組み合わせて行う「循環の補助方法」です。
つまり、外部から心臓や肺を動かして、脳をはじめとする主要な臓器に酸素を含んだ血液を届け、機能を維持する時間を増やすために行います。
危機的状態の動物に心肺蘇生を行いながら動物病院に搬送することで、命を救うチャンスを増やすことができるのです。
ここで間違えてはいけないのが、「心肺蘇生法」は「その場で動物たちの命を取り留めるためのものではない」ということです。
あくまでも、動物病院に到着するまで、その子の状態を悪化させない(悪化を最小限にとどめる)ことで、動物病院での救命措置につなげることが役割なのです。

どうでしょう?「心肺蘇生」にちょっと興味が出てきたのではありませんか?
あれ?ちょっと待って…ということは…
そうです!
心肺蘇生ってそもそも「病院の人がするもの」ではなく、「病院以外の人が(も)すること」なんです!
実際、心肺蘇生はヒトの場合でも一番近くにいる人が行うものです。
何かのイベントや日曜日などに心肺蘇生の市民講座が行われているのを見かけられたことはありませんか?
実はそれくらい誰もが身に着けるべき手技なんです。
動物たちの場合、何かあったときに一番近くにいる可能性が高いのはもちろん、飼主さまです。
そして、飼主さまの代わりに動物たちをケアするアニマルヘルパーです。
「心肺蘇生」はアニマルヘルパーにこそ必要な手技ですね!
しかも、アニマルヘルパーは「動物の専門家」ですから、自分たちが心肺蘇生できることはもちろん、飼主さまへその手技を伝える役割も併せ持たなくてはなりません。
飼主さまは自分がいない間のお世話を「誰でもいいからやってほしい!」と、思っておられるのではありません。
信頼できる人柄の、知識と技術を兼ね備えた人に任せたいと思っておられます。
そのためにはこういった危機的状態にも対応可能である必要があります。
アニマルヘルパー講座では最大級の危機的状態にも対応できるように「訪問時の心肺蘇生法」の講座を行います。
講義ではどんなことをするの?
今回は実際の講座ではどのようなことを学ぶのか?をお伝えします。
まず、講座では「心肺蘇生法の理論」をお伝えします。
「え~!理論?なんだか小難しそう…」そうなんですよね(^^;)。
理論、となるとどうしても話は小難しくなってしまいます…。
でも、この理論、知ってると知っていないのとでは心肺蘇生に大きな差が出てくるものなのです!
自分がやっていることがこの子の身体に何をもたらすのか…、
どういう方法であれば最大の効果をもたらすことができるのか…
ただ、「やる」だけではなく、最初は面倒くさくても、この理論が分かっていた方が、今後の活動には断然有利です。
理論がちゃんとわかっていれば、様々な大きさの動物にも応用可能になります。
アニマルヘルパーの担当する動物は犬や猫だけではありません!
ウサギ・ハムスター・フェレット・モルモット・チンチラ・小鳥…理論を知っていれば様々な動物にも対応可能になれるのです!
また、何より、自分が行っていることに自信を持つことができるようになります^^
緊急事態なのに「これでいいのかな…ドキドキ…」では不安ですもんね。
理論が理解出来たら、次はいよいよ「心肺蘇生の練習」です。
実は「心肺蘇生」はちゃんと理論が分かって、練習さえすれば、誰もができることです。
でも、十分練習できるなんて、そんな機会はなかなかないものです。
特に「動物の心肺蘇生法」となるとその機会は激減します。

「人間の心肺蘇生は練習したことある!」という方、もちろん、その人間の心肺蘇生の知識や技術、経験は動物にも応用可能です、と、言いますか理論は一緒です。
でも、体の形が違うということは、アプローチ方法も異なるということです。
人間と同様に仰向けで行う動物もいれば、そうでない動物もいます。
また、小さい動物と大きな動物とでは私たちが入れる力にも差が出てきます。
講座ではこういった細かい内容を実習を交えてどんどん体感し、練習していただきます!
心肺蘇生はとにかく、練習が命です。
何か起こったときに、体が勝手に動く!ようになっていなければないりません。
なぜなら、危機的状態の動物たちに「どれだけ早く正確に心肺蘇生を行えるのか」で、動物たちのその後の生存率が大きく変わる可能性が高いからです。
当然、「いつ」心肺蘇生を始めるのか?ということも実習の中で学んでいただきます。
やり方はわかってもいつ始めたらいいか分からなかった…なんて、そんな悲しいことありませんから。
いつも、講義では皆さん(もちろん講師も!)、汗だくで頑張っていただいています♪
何の役に立つの?
「なぜ、アニマルヘルパーに心肺蘇生の知識や技術が必要なのか?」についてお話していきたいと思います。
「え?もしもの時のためじゃないの?」そう!!その通りです!!
私たちアニマルヘルパーがケアする動物たちの中には重病を抱えた動物や高齢の動物もいます。
こういった動物たちは健康な動物よりも命の危機に瀕しやすい傾向にありますし、飼主さまもそこが不安だから、アニマルヘルパーに「お願いしたい」と思われます。
また、健康な子であっても、いつ何時何が起こるかわかりません。
「多く予想されることはもちろん、起こらないかもしれないことにも備える」これがアニマルヘルパーの神髄です。
飼主さまに代わって動物たちの安全安心を守るアニマルヘルパーには、こういった危機管理能力も必要なのです。
もちろん、心肺蘇生が必要な状態にならないよう、ケアを行う際の確認事項や注意点、状況観察などはしっかりと行います。
「心肺蘇生」の知識や技術は使わないに越したことはありません。
しかし、それでも何かあったときに「慌ててしまって何もできませんでした」では、厳しいようですがアニマルヘルパーとして失格なのです。

では、なぜ「心肺蘇生の知識や技術を身につけること」が「危機管理能力の向上」につながるのでしょうか?
それは、最悪の事態を考える習慣が身につくからです。
通常、ヒトは起こってほしくないことを意識的に考えることはしません。
「大切なこの子が死んでしまったら…」といったことを常に考えることは「不吉なこと」のように思うからです。
しかし、起こってほしくなくても起こってしまう時はあります。
こんな時、何も準備をしていなければ、動けるはずがないのです。
最悪の事態を考え、それに対応できるように知識や技術を身につけ、繰り返し練習を行うからこそ、体は動くのです。
また、この「最悪の事態」は、アニマルヘルパーが動物のそばにいない時にも起こる可能性があります。
そんな時、飼主さまは一番にどこに連絡するでしょうか?
動物病院?そういう場合もあるかもしれませんが、私の経験上は、一番近くでいつもその子のお世話をしているアニマルヘルパーに連絡してこられることが多いです。
このような場合には飼主さまの気持ちにも配慮しつつ、遠隔で正しい方法を伝えられるようになっておかなくてはなりません。
「自分でできることはもちろん、飼主さまへ心肺蘇生の方法を伝えられるようになっておかなくてはならない」のです。
「心肺蘇生の知識や技術を学ぶ」ということは、ただ単に「自分ができるようになる」だけではなく、同時に「危機的状況を身近に感じ、備える」能力が身につくということです。
繰り返しの練習が必要な項目ですが、自信をもって行動できるようになれるよう、サポートします。
もしもの時にきちんと対応できてこそ、「アニマルヘルパー」です。
さあ、心肺蘇生を学んで、より飼主さまと動物たちの「より充実した幸せな生活」に貢献できるアニマルヘルパーを目指しましょう(^_^)v